2012/01/08

MVP


 ブル中野引退興行「女帝」、引退セレモニー前には、現役レスラーによる全8試合が組まれた。ブル様が、この半年ほど、さまざまな団体を見て、選び抜いた選手たち。ジャガー、ダンプのレジェンド、アジャや堀田、豊田、井上京子、貴子、伊藤、下田、三田など、ベテラン全女勢が未だ現役、しかも、どの選手もさらに磨かれた動き。女子プロレスの流れは追っかけているが、さすがに、これだけの選手を目の前にするとテンションがあがる。そこに、尾崎や浜田、WAVE、JWPが加わり、まさにワンダーランド。さすがである。男子も1マッチ入り、前半戦だけで、お腹いっぱいになりそう。会場も完全にあたたまった。
 そして、後半戦は、これからの女子プロレスを占う試合が3試合。


 華名vs花月。昨年の団体対抗フラッシュトーナメントで、世Ⅳ虎からフォールを奪い優勝を手にした花月が、ここまで何もさせてもらえないとは思わなかった。グラウンドが中心の、オーソドックスだが、この日にあっては異彩を放つ2人のスタイル。確かに噛み合っていたし、花月も気持ちを全面に闘っていた良かった。
 が、華名は一枚も二枚も上。もっと評価されていい。美央とのトリプルテイルズ.S見たい。美央の喋り含めて、間違いなく、凄いはず。


 高橋奈苗、里村明衣子、さくらえみvs栗原あゆみ、世Ⅳ虎、藤本つかさ。いわば、世代間抗争。とは言え、栗原は若いとは言え、実績は申し分なし。ここで試されるのは、世Ⅳ虎と藤本の技量。世Ⅳ虎の10代とは思えない度胸と迫力、藤本の瞬発力はさすが。だが、両者ともにスタミナ不足。そして、あと1つ技がほしい。


 メインを飾ったのは、志田光vs愛川ゆず季。勢いは買うが、2人とも試合を組み立てることが、まだできない。プロレス頭が足りない。課題の多い一戦だったと思う。最後の志田の流した涙が悔しさ込みと信じて、期待したいが。


 さて、では誰が、この日のMVPか。
 試合内容では、華名。でも、バトルロイヤルで若手からベテランまで多彩で色濃い競合を抑え優勝。そして、引退セレモニーでは、ピンで花束贈呈を務めた、広田さくらを措いて、他には考えられない。この事実は、特に若手にシビアである。