2019/07/31

素直な猜疑心を持とう 『僕はイエス様が嫌いだ』


 ある日、事情を抱え祖母の住む北国の町へと引っ越す少年ユラ。転校先は、ミッション系の小学校で、朝から礼拝があったり、いろいろとお祈りしたり。
 神様って、ほんとにいるの? お祈りって届くの?というシンプルな設定。深くて重い問題提起をユーモラスに描いている本作。見たい見たいと思っていて、新宿武蔵野館での上映最終日前日にようやく見ることができた。
 設定はキリスト教だが、他の宗教だったり、思想、世の中の常識であったり、疑ってもいいのやら悪いのやらなやつはたくさんある。この映画の主人公が持つ違和感や素直な猜疑心って、大事なんだと思う。
 いろんな人に見てほしい、いい作品に出会えた。

夢と葛藤と苦悩の果てに 『GIRL』


 トランスジェンダーの少女バレリーナのストーリー、映画『GIRL』。夢、葛藤、苦悩を抱え生きる主人公ララ。懸命になればなるほど、自分を追い込み傷つけていく。その彼女を、不器用にも最大の愛情をもって包み込む父親。痛々しいけど、優しい家族の話でもあった。

2019/07/28

BILLIE IDLEは、止まらない


 「BILLIE IDLEツアー 僕らまだちっぽけな頃の話」初日、赤坂BLITZ。先日発売されたシングル『僕らまだちっぽけな頃の話』をツアー名に冠し全国15ヵ所で開催。4月の前回ツアーファイナルに続いてのBLITZだが、すでにライブハウスとしての営業終了が決まっている。とりあえず今回がBLITZ最後かも。
 さて、今日のライブ、まず衣装がよかった。全員デニムに、白Tシャツ、そしてその上にオレンジのボウリングシャツで、バックにはBILLIE IDLEのロゴ、フロントの右胸には、それぞれの名前がプリントされた、いかしたやつ。足元は、コンバースね。かっこいいです。
 選曲は、新旧織り交ぜられていたが、古い曲もプー・ルイがいて当然なくらいに、馴染んできている。何が何でもプー・ルイがメインだったBiS時代とは違って、他の4人に体をゆだねている姿を見ると、胸が熱くなるね。
 『Be My Boy』のイントロが始まれば、あーこれで終わりかなという『Design For Life』的な寂しさとシンガロング。
 そして、アンコールの『どうせ消えてしまう命なら』では、まず涙。BiS時代からのファンからすれば、これは奇跡のチューン。プー・ルイ、よくぞここにたどり着いた。『エブリデイズ』からの神曲『My Way』で盛り上がりもピークに達したところで、終了。1時間30分、シンプル・イズ・ベストで大満足である。
 次回は、8月6、7日の新宿Loftツーデイズで、6日はフィロソフィーのダンス、7日はEMPiREとのツーマン。10日は、ツアーのプチ遠征で高崎(BiS以来!)。楽しみでしかない。

2019/07/26

『ニューヨーク公共図書館』に、民主主義を見た


 世界で最も有名な図書館、ニューヨークの観光名所ともなっているエクス・リブリスの舞台裏を収めたドキュメンタリー、『ニューヨーク公立図書館 エクス・リブリス』。
 「19世紀初頭のボザール様式の建築で知られる本館と92の分館からなる世界最大級の〈知の殿堂〉ニューヨーク公共図書館だ」(映画公式サイトから)だというが、映画を見るまでまったく知らなかった。
 映画は、まさに知の殿堂の日常を捕らえていくが、そのほとんどは、裏方であるスタッフや地元ボランティアの姿である。市から予算削減を言い渡され、いかに戦略をもって、予算を獲得していくのか。人種と多様性の街ニューヨークの図書館は、どうあるべきか。文化、情報、人権、尊厳を守り継承しようとする取り組みは、まさしく民主主義である。
 トランプの出現は悲観的でしかないが、エクス・リブリスとそれを支える民がいるアメリカは、やっぱり凄いなと感心してしまう。図書館というか、公共施設の理想像を見た。

2019/07/24

I'm Chucky, Kill YOU !! 感がもう少し欲しかった『チャイルド・プレイ』


 チャッキーである。今回は、AI内臓だとかで、ブードゥーなどの要素はなし。時代を感じる。そして話が、いい意味で雑。もう終わるのって感じ。もう少し、スリリングで重たく、残虐でも良かったが、これも時代なのか。そして、何と言っても、チャッキーが不細工。可愛くないので、怖さも際立ちづらい。うーん、どうしたものか。
 救いは、主人公アンディの友人ファリン役のビアトリス・キットソス。彼女を主人公にリメイクするってのも、ありかと。

2019/07/08

銀杏BOYZ+朝ドラ=『いちごの唄』


 『ひよっこ』の脚本家の岡田惠和と銀杏BOYZの峯田和伸の共著か原作『いちごの唄』。下手な伏線は張らない。でも、スリリングで、わくわくもできる作品。峯田和伸、主役の古館佑太郎、宮本信子、和久井映見、光石研ら、『ひよっこ』感が、ハンパない。その他にも、清原果耶[、岸井ゆきのと、朝ドラオールスターズ?な出演者。カメオ出演の麻生久美子、みうらじゅん、田口トモロヲ、宮藤官九郎、曽我部恵一、やついいちろう、今立進らが、舞台の高円寺をはじめ中央線っぽさを強調させている。『21世紀の女の子』にも出演していた石橋静河良かったな(『半分、青い。』にも出てたかと)。
 MVみたいでもあるし、銀杏BOYZ好きにはたまらんが、銀杏と朝ドラが、好きかどうかで、良くも悪くも、評価はわれるかと。
 ちなみに、鑑賞者限定で銀杏の新譜『いちごの唄』が購入可能。もちろん買いました。

2019/07/07

忖度社会日本をガチで描いた、『新聞記者』


 映画『新聞記者』。企画段階で、2つの制作会社に断られたとか、主演女優がなかなか決まらなかったなど、忖度社会日本を象徴するようなエピソードも話題。
 今の政治、マスコミの有り様が、現実の事件を想定させる描写で描かれる、必見の一作。望月 衣塑子記者、元文部科学官僚の前川喜平氏が特別出演していて、リアリティが増している。
 参議院議員選挙前、必見の作品かと。
 そのメッセージ性もさることながら、とても良質なエンターテイメント作品であることも重要なポイントかと。

2019/07/03

「I wanna be your boy Friend」は名曲な『スパイダーマン : ファー・フロム・ホーム』


 『スパイダーマン : ファー・フロム・ホーム』。普段、この手の映画はあまりみないのだが、ピカデリーからの誕生月プレゼント、映画1本1000円チケットをゲット。それではと見に行くことにした。
 で、この映画、ハイスクール・ムービー的な要素もあって、おもしろいし、テンポもいい。予想以上に楽しめました。そして、AC/DC、The Ramones、The Go-Go's、The Speciadといった音楽のチョイスも、よし。この他にも、いろいろと曲が用意されていて、それぞれに意味があるらしいのだが、今日は、前述の4曲以外、意味合いについては、よく分からなかった。
 それにしても、ゼンデイヤ、かわいいじゃない。いいと思います。

2019/07/01

二重人格なのか、それとも 『ジョナサン』


 今日はファーストデイということで、新宿シネマカリテは、映画鑑賞1100円。毎週水曜日の1000円や、アップリンクなどの会員登録は、私にとっては重要。
 さて、今日は、『ジョナサン』。1人の体に、ジョナサンとジョンという2人の兄弟の人格が宿っている設定。午前7時と午後7時に2人の人格が入れ替わる。お互いの生活をビデオメッセージで伝え合うのだが、物語は思いがけない方向に進んで行く。
 ツッコミどころもあるのだが、ラスト30分の展開は、好き。そして、何よりも、兄弟(多分、姉妹も)の互いに対する感情の移ろいが面白い。