2022/03/01

主人公ユーリが見た地球も青かった。『ガガーリン』


  『ガガーリン』。老朽化と2024年パリ五輪のために取り壊される大規模公営団地「ガガーリン」。すごいネーミングだけど、実在したらしい。そして取り壊しに抗う主人公はユーリ。そのまんまじゃね?となるのだが、実は、このネーミングセンスがポイントだった。ユーリと友人の青春群像を中心に物語は進行するが、決して裕福とは言えない住人らの連帯がそこにはある。命と居住をも問うている。
 美しい色と音楽が重たいテーマを優しく包む、いい作品だと思う。