2024/01/22

成瀬あかりになりたかった


 毎年、紀伊国屋書店の書店員が選ぶ「キノベス」。これまで、まったく意識したことがなかったのだが、2位が『黄色い家』で、3位が『水車小屋のネネ』と、昨年読んだ中で特に良かった二冊が上位に入っていた。
 へーっと思いつつ、1位は、何だろうと見てみると、宮島未奈著『成瀬は天下を取りに行く』だと。どんな本だろうと、書棚から一冊手に取り開いて、目次を見る。???。そして、ページをめくり、第一章「ありがとう西武大津店」の一行目を読み、「なんだ、これは」。衝撃が走る。すかさずレジに向かい、購入し、一気読み。
 「私、成瀬だった、いや、成瀬になれなかった」な読後感。
 中学二年生の成瀬あかりの日常が、感動的に突拍子もないのだが、それを綴る宮島さんの技が、すばらしいし、各章の構成にもうならずにはいられなかった。
 で、昨年末に、今年1月24日に続編『成瀬は、信じた道をいく』が発売されると知り、待ちに待ち、居ても立っても居られず、もしかしたら早めに並んでいるかも~と、今日、書店をのぞいたところ、あるではないか。即購入。で、読み始またら、これが、また。ということで、友人や同僚に勧めまくっている。
 どちらを先に読んでも楽しめると思うが、必ずもう一方を読みたくなること間違いなし。