2021/06/16

私たちの隣人の話、『東京クルド』

 日本で難民申請を続けるトルコ国籍のクルド人・18歳のオザンと19歳のラマザンを5年以上にわたって取材したドキュメンタリー『東京クルド』の試写会へ。難民認定率が1%にも満たない日本。昨日終わった国会で『入管法』改悪は見送られた、そもそもの制度自体が、難民らを保護するのではなくて、管理することが目的の悪法で、人権侵害が甚だしい。
 人種、宗教、政治的な理由などで国を追われ日本に辿り着いた多くの外国人。日本は、「難民条約」に批准していることから、それらの人々を保護する義務を持つ。が、実際は、刑務所以下と言われる入管施設に収容し、解かれたとしても、「仮放免」という一時的な措置を講じるだけ。この仮放免によって、就労も許されず、生活保護や健康保険も受けることができない。かろうじて支援者らのサポートにより、住居を借り仕事に就き暮らしているが、いつまた収容されるかも分からない。
 映画に登場するオザンとラザマンは小学校低学年で両親と一緒に訪日し、日本の学校で義務教育を終了。それぞれに夢を持つが、仮放免であるため、そのハードルは高い。
 親や社会への反抗、友情など、誰もが青年期に抱える問題であっても、二人にとっては、より深刻。それでもクルド人としてのアイデンティティを失わない二人。
 彼らのような境遇の人々は、いま、私たちのすぐそばで暮らしている。そして、直接的・間接的な違いはあれど、私たちの生活を支えている。
 今回、『入管法』を巡る動きもあり、7月から緊急上映される『東京クルド』。ぜひ、見てほしい。
  #東京クルド