2022/04/05

日本の〈差別〉を丸ごと見つめて学びぼぐす『わたしのはなし 部落のはなし』


 「日本の〈差別〉を丸ごと見つめて学びぼぐす いまだかつてないドキュメンタリー映画」だという、『わたしのはなし 部落のはなし』の試写会へ。部落問題については、父親が組合役員をやっていて、その解消に取り組んでいたこと、学校の授業、特に中学校では、教師の全国講習会が開催されたりもしていたし、今の仕事に就いてからも、狭山事件など冤罪事件をはじめ差別事件の学習会や集会に参加することもあるので、まったく知らないということはない。
 でも、なぜあるの? なぜなくならないの?と問われたら、漠然としか答えれない。のだが、そのヒントを、この映画は提示してくれているように思う。
 映画の中で焦点があてられるのは、当事者(差別する側を含む)の「わたしのはなし」であり、監督自身が部落問題を取材する中で経験してきた「わたしのはなし」。そして、それらを通じて、部落問題が「私のはなし」であるという理解が芽生えていく。
 どこかで、こういう作品を見たことがある。坂上香監督の『プリズン・サークル』。あの作品も、日本の差別の構造が犯罪の根底にあることを描いていた。