2025/04/01

七代目三遊亭圓楽


 今宵は、紀伊國屋寄席。三遊亭圓楽襲名記念しての一夜。出演は、順番に、春風亭一花『馬大家』、五明樓玉の輔『お菊の皿』、春風亭小朝『鰍沢』と続き、圓楽襲名披露口上。この口上は、襲名披露ならではだし、これが、なかなかおもしろかった。
 後半は、わが家では、林家木久扇と双璧の三遊亭好楽の桂文枝作『優しい言葉』、そして、三遊亭圓楽『宗珉の滝』。七代目圓楽、いいね。ほんと、寄席に通わんと。

2025/03/30

久々の英国ドラマの傑作! 『Adolescence』


 ブレイディみかこさんに「久々の英国ドラマの傑作」と教えてもらったNetflixの『Adolescence』を一気見するため、Netflixを一時的に再契約。
 『This Is England』のコンボ役のスティーヴン・グレアムが、主人公の父親役。全シーンがワンテイクで、流れるように物語が進む。自分が、殺人を犯した主人公の家族でもあり、セラピー、そして刑事でもあるような感覚に陥る。重たくて、辛い内容だが、確かに傑作かと。

「ネムルバカ」は、いい曲。『ネムルバカ』


 『ベイビーわるきゅーれ』の阪元裕吾監督作品『ネムルバカ』。最後の最後まで引っ張って引っ張って、泣かせる手法。泣けた。タイトルにもなっている「ネムルバカ」、いい曲です。

2025/03/29

黒い巨人は、何? 『Away』

 『Flow』のギンツ・ジルバロディスの2019年作『Away』が再上映。黒い巨人から逃げる、飛行機事故から生き残った青年。セリフなし、脳をフル回転させながら、映像美に酔いしれる。

2025/03/28

もっとおもしろくなったはず。『ぶぶ漬けどうどす』


 『ぶぶ漬けどうどす』の試写会へ。京都の老舗扇子屋の14 代目と結婚したライターが、京都に移り住み、赤裸々マンガレポートを連載したことがきっかけで起きるドタバタ。ケンミンショー的で中途半端なストーリー。もっとおもしろくなったはず。

すぐにでも読み返したい、ハン・ガン『ギリシア語の時間』


 ハン・ガン著『ギリシア語の時間』読了。突然言葉を発することができなくなった女性が、視力を失いつつあるギリシア語講師の男性の出会いの物語。とてつもなく長いように感じるプロローグで二人の痛みが語られたと思ったら、すでにエピローグに。そして、再びプロローグへと。すぐにでも読み返したくなる一冊。

2025/03/25

主人公の建築物に対する異様なまでの執着する理由は? 『ブルータリスト』


 『ブルータリスト』。ホロコーストを生き延びてアメリカへ渡ったハンガリー系ユダヤ人建築家ラースローが主人公の大河ドラマ。ホロコースト、トラウマ、シオニズム、人種差別、フェミニズムと、テーマが盛りだくさんだが、構成が分かりやすく、本編215分で、途中15分の休憩でも長さは感じない。
 ラースローが、請け負った建物の設計に異様なまで執着したのか、ラストで納得。


 入場者特典として、ラースローの展覧会ルーフレット。ちょっとした解説も掲載されていて、これを読んで、もう一回見るのもありかと。

2025/03/23

政治好きならぜひとも見たい。『教皇選挙』


 『教皇選挙』。コンクラーベですよ、コンクラーベ。世界史の授業を思い出す。教皇の死去に伴う教皇選挙。各候補者(これが、そもそも誰かが分からない)は票を獲得するために、いろいろな工作を行ない、候補者おろしに奔走するのだが、これがなかなか複雑。騙し騙されな要素もあって、おもしろかった。
 日本でも総裁選とか代表選で似たようなことをやっているわけで、選挙とか政治に興味があれば(ないと困るのだが)、楽しめはず。

2025/03/21

映像と音楽も圧倒的。多様性、共存、分断を描いた『FLOW』


 『FLOW』。大洪水に飲み込まれた世界に生きる一匹の猫と仲間の動物。セリフはないのだが、動物たちの声が聞こえてくる。多様性、共存、分断について考えさせられる、いい作品。映像と音楽も圧倒的。
 アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した本作。アニメとして優れているというよりも、日本のそれでアニメ部門を制した『ルックバック』もそうであるように、優れた映画作品に間違いなく、もはやアニメ部門は、必要ないと思う。

2025/03/20

青に染まった、私立恵比寿中学15 Anniversary 「大学芸会2025 〜LOVE & BRAVE」

 私立恵比寿中学15 Anniversary 「大学芸会2025 〜LOVE & BRAVE」。エビ中10年ぶり3回目のSSA、私たちも3回目のエビ中のSSA。サイリウムを忘れたが、とてもいいライブだった。
 ちなみに、今日は、青のコンバースを履いて会場へ。最後は、衣装も、会場も、青でいっぱいに。

2025/03/17

危険な(デリカド)フィリピンの現実

 気候変動に抗い、最後の秘境を守るフィリピンの環境活動家集団を追った『デリカド』。ドゥテルテ政権と経済を最優先する企業による弾圧・暴力に屈することのない姿勢は、信じられないほどに尊い。が、環境活動家の殺害が世界一多いという、危険な(デリカド)フィリピンの現実を国際社会は見逃してはならない。

災害に備えるためにも必見。『能登デモクラシー』


 『はりぼて』『裸のムラ』に続く、五百旗頭幸男監督の最新作『能登デモクラシー』の試写会へ。
 主人公は、能登半島の穴水で手書き新聞『紡ぐ』を発行する滝井元之さん。滝井さんは、新聞を通じて町の未来や議会のあり方を問い続ける。町長と町議会、そして地元有力者の癒着により、議会は機能不全。
 そして撮影中に「能登半島地震」が発生。震災前から穴水で撮影されていた本作は、災害に備える指針ともなっている。
 個性的な地元代議員や、石破の10万円問題でも注目される「政治資金規正法」と選挙などのサイドストーリーも、興味深い。必見。

2025/03/16

少しだけ希望を抱けるラストシーンに、少しだけ安堵。『校庭』


 『校庭』、原題は、『Un monde(世界)』。舞台は、ベルギーの小学校。いじめられる兄を何とか守りたい妹の葛藤が、学校という世界で溢れに溢れる。BGMは一切なく、映像と共に流れて来る児童らの遊び声が、作品にリアリティを加えている。
 それにしても、あの兄妹、どうなるんだろう。少しだけ希望を抱けるラストシーンに、少しだけ安堵。

2025/03/15

ニコラス・ケイジのサイコパスぶりがナイス。『ロングレッグス』


 『ロングレッグス』。未解決連続殺人事件を巡るサイコスリラー。話も良かったし、ニコラス・ケイジのサイコパスぶりがナイスだが、「この10年で一番怖い」というのは、煽り過ぎ。あっさりしてました。もしかしたら、次が、あるのかな?

2025/03/14

何より、タリア・ライダー、最高。一先ず、今年一番『スイート・イースト』

 『スイート・イースト』。修学旅行を抜け出した女子高生が乱射事件に巻き込まれ、追い込まれた先に隠し扉。そこから出会う、パンクなアクティビティスト、理屈っぽいネオナチ、EDMなムスリムと、奇想天外かと思いきや、いや、これぞ現代アメリカなのかと。
 映像も音楽も、とても好き。何より、タリア・ライダー、最高。一先ず、今年一番。

ケナの旅立ちに、希望を感じる。『ケナは韓国が嫌いで』


 『ケナは韓国が嫌いで』。韓国に嫌気がさしニュージーランドへ移住した28歳のケナ。揺らいで揺らいで3年、何を思い、どこへ行く。ニュージーランドで出会う、韓国人青年との関係が、とても気持ちがいい。ケナの旅立ちに、希望を感じる。

2025/03/09

騙されるな!『デビルズ・ゲーム』

 『デビルズ・ゲーム』。サイコパスの殺人鬼と追いかける刑事の心と体が入れ替わるという話。登場人物だけでなく、観客もだまそうとする、巧妙な構成で、なかなか楽しめた。

中盤の伏線が、後半でじわじわと効いてくる。『アノーラ』


 『アノーラ』。アカデミー賞を受賞しようとしまいと、見ようと決めていたのだが、見てよかった。前半は、ラリッてセックスするシーンが多いのだが、中盤の伏線が、後半でじわじわと効いてくる。ラストシーンも、私は、好き。そして、アノーラを監視するアルメニア人男性イゴールが、いい。

2025/03/08

JR中央線グリーン車のお試しが来週金曜日まで。ということで、大月まで行ってみた。

 JR中央線グリーン車のお試しが来週金曜日まで。
 せっかくなので、どこか行ったことのない場所まで乗ってみようということになり、日本橋で映画を見た後、三越で、つまみを買って、東京駅へ。三遊亭小遊三師匠のふるさと、山梨の大月まで、ノープランの小旅行。
 同じようなことを考える人がいるようで、東京駅のホーム、グリーン車乗り場は、そこそこ混んでいる。大月行電車の列に並び、無事に狙った席に座り、さっそく宴会。三越で買った大徳寺さいき家の鯖の巻きに、青柳の筑前煮に鶏と蕪の煮物、卯の花、だし巻き、そしてチューハイをテーブルにセットし、一路大月をめざす。
 何も観光しないのも何なので、途中猿橋駅で下車し、日本三大奇橋の一つ、猿橋へ。ここで、雪がちらつき始め、橋に着く頃には横殴り。そそくさと、駅に戻りローカル線で大月に到着。
 駅のホーム直結の蕎麦屋いろり屋のもつ煮でちょこっとだけ温まり、帰りの列車を待っていたのだが、なんと大月発の快速が運休に。ということで、高尾までローカル線で戻り、そこから中央線快速に乗って、吉祥寺まで。
 雪が本格的に降って来たので、タクシーで帰宅。楽しかったが、寒かった。

2025/03/05

誰もがサバイバーかもしれない。『リアル・ペイン』


 『リアル・ペイン』。ニューヨークに住むユダヤ人のデヴィッドと、いとこのベンジーが、ポーランドの歴史遺産ツアーに参加し、ホロコーストのサバイバーである祖母の思い出の地を巡る。
 互いに不器用で、時にぶつかり合う二人、旅を終え、空港で別れる姿が切ないし、ラストシーンのキーラン・カルキンの表情に心を鷲掴みにされた。誰もが人生のサバイバーなのかもしれない。

パレスチナの人々への民族浄化を止めろ!『ノー・アザー・ランド』


 『ノー・アザー・ランド』。ヨルダン川西岸で生まれ育ったパレスチナ人の青年が、イスラエル軍による、ふるさとの占領と破壊を撮影。彼に協力するイスラエル側から来たジャーナリストとの活動を描いた決死のドキュメンタリー。
 銃とブルドーザーで、住居や学校、インフラを次々と破壊するイスラエル軍と武装した入植者の行動は、人権侵害でしかない。
 「世界中の人々に呼びかけたい。この不公平に対して真剣に立ち上がり、パレスチナの人々への民族浄化を止めて」アカデミー賞の是非は二の次に、この作品が長編ドキュメンタリー賞を受賞し、世界に、監督らのメッセージが発信された意味合いは大きい。必見。


2025/03/02

デビッド・ヨハンセン、永眠


 私が中学生~高校生のころ、よく通った、というか、高校2~3年生時には、店番をやっていたZAPPED RECORD。店主は、フランク・ザッパのコレクター、伊藤さん。中学生の時、「ピストルズは、聞きよる」とのたまう私に、「だったら、これ好きやろう」と教えてくれたのが、New York Dolls。どっぷりとハマった。
 そして、オリジナルメンバーであり、ドールズの象徴、デビッド・ヨハンセンが、永眠。今晩は、あれやこれやと引っ張り出して、追悼酒。

さくっと1時間。北烏山四丁目梅林市民緑地で、梅見


 昨年に引き続き、北烏山四丁目梅林市民緑地で、梅見。さくっと1時間、満喫。

2025/03/01

エル・ファニング、最高! 『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』

 『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』を、Dolbyシネマで。ボブ・ディランについては、すーっと通った程度だが、『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』で、話が分かりやすく、良かった。エル・ファニング、最高でした。もう一回見たいね。
 ちょこっとだけど、「The Irish Rover」を大音量で聞けたのも、うれしかったよ。

2025/02/27

ゆるやかに、しなやかに、したたかに。「港まち手芸部」


 今日は、手芸アーティストの宮田明日鹿さんが主宰する「港まち手芸部」を取材するため、日帰りで名古屋へ。
 午前中は、主に町に住む人たちが参加する定例の「港まち手芸部」に参加。写真を撮ったり話を聞いたりしながら、初手芸に挑むの巻。そして、自分の不器用さを痛感。スイカあみキット(経費を除いた売り上げは、パレスチナ支援に)を成し遂げることできず。家に持ち帰り、再び挑む。
 そして、午後は、場所を、カフェ・イベントスペースNUCOに移動して、今度は、「誰でも手芸部」の取材。こちらには、ふらっと来る人もいて、編み物の話をしたり、本の話をしたり。
 ゆるやかに、しなやかに、したたかにつながる皆さんに、たくさん刺激をいただいた。

2025/02/26

ROSIEの立ち姿とベースプレイ、かっこよ過ぎ


 『The “Top Beat” goes on!!』 〜2nd Anniversary of Top Beat Club〜!』。暴動クラブとキノコホテルのツーマン。今日は、ROSIEサイドに陣取って。ROSIEの立ち姿とベースプレイ、かっこよ過ぎ、そして、髪型もいい。
 暴動の勢いも凄いけど、キノコホテル、恐るべし。楽しかった。

2025/02/25

日本語版のタイトルや予告に肩透かし。『あの歌を憶えている』


 『あの歌を憶えている』。ソーシャルワーカーとして働く女性と、若年性認知症による記憶障害を抱える男性の物語。
 原題は、『MEMORY』。それでよかったし、劇中で流れるプロコル・ハルムの「青い影」を、二人にとってかけがえのない曲であるかのように取り上げる日本語版のタイトルや予告は、どうかと思う。

2025/02/22

一家に最低でも1枚はある『ヒプノシス レコードジャケットの美学』

 

 『ヒプノシス レコードジャケットの美学』。ヒプノシス創始者の一人オーブリー・パウエル、Pink Floyd、Led Zeppelin、10ccのメンバーらのインタビューによって、ジャケット製作エピソードが明らかにされていく。それにしても、今だったら無駄とか非効率とか言われる作業が満載で素晴らしいのよ。
 一家に最低でも1枚はある(多分)であろうヒプノシスによるレコードジャケット。この週末は、じっと眺めながら、音楽に浸りたい。

2025/02/19

「ゆむいくさ ならぬ(憎い戦争 絶対にいやだ)」。山里節子さん

 自衛隊ミサイル基地が建設された石垣島で取材。映画『戦雲』に出演し語りも担当した山里節子さんにお話を聞いた。
 「いのちと暮らしを守るオバーたちの会」の会長である、山里さんは、「ゆむいくさ ならぬ(憎い戦争 絶対にいやだ)。自衛隊基地は出来てしまったが、撤去されるまで運動を続ける」と、88歳になった現在も、スタンディングを続けている。
 短い時間ではあったが、山里さんの熱い言葉を聞けて、聞いたからには行動しなければと心に刻んだ。
 ※『戦雲』のパンフレットに、ちゃっかりサインをしていただきました。

2025/02/17

 技能実習制度に切り込んだ『ナマズのいた夏』


 『ナマズのいた夏』。ある地方都市を舞台に、悩める日本の若者が打ち解けきれずにぶつかり合いながら、ひと夏を過ごす。隣に住むベトナム人技能実習生との出会いが、彼らの一歩にもつながる。
 いろいろあっても、悪い人はいないのだと回収していく展開には、ちと不満も。そうであれば、いいのだが。
 技能実習制度の闇にも切り込む良作で、制度が見直されても、なお課題が山積であるとの字幕は評価したい。

シンクロする落語と漫才に泣き癒される『みんな笑え』

 『みんな笑え』。認知症で引退した師匠であり父の介護をしながら舞台に立つ50歳の売れない落語家が、こちらも売れない若手女性漫才師に出会い・・・。主人公より少し上の世代、染みる。ラストのシンクロする二人の話芸に泣いて癒されること間違いなし。
 上映後舞台あいさつは、大阪からリモートで、辻さん 鈴木太一監督。そして、劇場には、主演の野辺富三さん、出演の伊沢弘さん、プロデューサーの沖正人さん、映画監督の海老澤憲一さん。映画が再現されているかのようなトーク、楽しかった。そして、大阪の劇場・土間シネマ、行ってみたい。

2025/02/16

『ベルばら』と合わせて見るのも一興、『愛を耕すひと』

 『愛を耕すひと』。18世紀のデンマーク、未開の地を開拓する男、それを妨げようとする男、傍観する男。そんな時代もあっよねではなく、今もそうなのだと。主人公を突き放しながらも、抱擁するラストが、また、ある意味で男らしくて、嫌。
 でも、作品としては、とてもいい。『ベルばら』と合わせて見るのも一興かと。

2025/02/14

「女性・命・自由」を求めて。 『聖なるイチジクの種』

 『聖なるイチジクの種』。自作映画で母国の政府を批判したとして、有罪判決を受けていたイラン人監督モハマド・ラスロフの作品。
 2022年に起こったヒジャブの被り方を巡り、女性が殺害された事件をきっかけに広がった「女性・命・自由」運動。映画は、このムーブメントを背景に、ある家族の視点を通じて、宗教、家父長制、女性差別などを描く。
 167分と長めだが、最後まで緊張が持続。SNS動画を交えた演出もいい。社会派であり、サスペンス・スリラーの傑作。


2025/02/13

とにかく後味が悪い『邪悪なるもの』


 アルゼンチン・ホラー『邪悪なるもの』。大して怖くはないしグロさもほどほどだが、主人公の判断ミスが悲劇を生みまくり、とにかく後味悪し。映画の前宣伝を真に受けると、肩透かしを喰らうかも。
 映像と音楽は好き。

2025/02/11

主人公の名前が、アナなのは、偶然か?『アンデッド/愛しき者の不在』

 『アンデッド/愛しき者の不在』。タイトルで察しはつくが、ゾンビ映画です。愛する人をなくした三つの家庭。蘇りアンデッドとなった人を愛せるのか。とてつもなく愛おしくて切なく怖い。これは、名作。
 『ヌルボムガーデン』『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』と、死生観について考えさせられる映画を見ているな、と。あまり意識はしていないのだが、ハン・ガンの影響はあるな。
 あと、主人公の名前が、アナなのは、偶然か? オマージュか?


2025/02/09

招魂再生『ヌルボムガーデン』


 『ヌルボムガーデン』2回目。理不尽さが、被害者であり加害者である少女と、ある意味、加害者でもある被害者の妻が家族になるラストシーンが、切なく、そして、たまらなくいい。次の展開を想像せずにはいられないほどに、怖いけど。
 ところで、この作品に漂う死生観について、仏教の輪廻転生ではなく、儒教の招魂再生なのかな、と。

2025/02/08

生と死は、連なっている。『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』


 ティルダ・スウィントン、ジュリアン・ムーア主演『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』。安楽死を望む主人公と、彼女を見守る旧友の死と生についての物語。さまざまな課題提起に溢れたストーリーもさることながら、衣装を含めた鮮やかな色合い、耳に残る優しい音楽に、生と死の連なりを感じ、その余韻が胸を締め付ける。素晴らしい作品。

2025/02/05

無関係であることはできない「日米地位協定」と「PFAS問題」「那覇軍港の浦添西海岸への移転問題」

 昨日2月4日から1泊2日で、「日米地位協定」と「PFAS問題」「那覇軍港の浦添西海岸への移転問題」の取材で、沖縄本島へ。沖縄国際大学の前泊教授や宜野湾ちゅら水の会・照屋事務局長、浦添市・港川自治会の銘苅副会長に話を聞くなど、充実した取材になったのだが、各問題が共にリンクし合っていて、かつ根深く、どう伝えていくかを考えている。
 今月は、中旬にも、「南西諸島への自衛隊配備」の取材で石垣島へ。
 これらは、すべて人権問題であり、命の問題である。もはや無関係と言える人など日本にはいないはず。身近な人にも伝えていきたい。

2025/02/03

RGのあるあるディナーショー


 「RGのあるあるディナーショー」を見に、初めて、荻窪のThe Top Beat Clubへ。ディナーショーということで、受付で食事を注文してドリンクチケットを受け取り、地下の会場へ。席を確保して、ビールを飲みながら待つ。食事の提供は、ゆっくりめかな。
 で、開演時間ちょうどに、中森明菜の『Deair』の衣装をまとったRG登場。そして、『テイク・オン・ミー」や「ネバーエンディングストーリーのテーマ」に乗せた「フジテレビあるある」「中居正広あるある」に大爆笑。約1時間30分、大満足。次回は、バンドセットで対バンもあるらしい。これは、楽しみ。

2025/02/01

涙なしには、見られんよ、勢いでコミックも購入。『ベルサイユのばら』


 劇場版『ベルサイユのばら』。まさかのミュージカル仕立てで戸惑ったのだが、絵はきれいで、素敵。そして、そして何といっても、話が素晴らしい。涙なしには、見られんよ。


 そして、京子さんが、コミックを購入。いいんですわ。

おのれのBlur好きを再確認。『blur:Live At Wembley Stadium』『blur:To The End』

 『blur:Live At Wembley Stadium』『blur:To The End』。どちらを先に見るか悩ましいところだが、上映時間の関係もあり、先にライブ、そしてドキュメンタリー。

 『Live At Wembley Stadium』は、2023年9月8~9日、ブラー初めてのウエンブリースタジアムでのライブ映像。最高過ぎた。ベストライブな選曲とは言え、全部歌えるわ。私、blur好きなのね。

 猛烈にロンドンに行きたくなった。やっぱり地元は強いわ。

 続けて、『blur:To The End』。8年ぶりの復活からウエンブリーでのライブまでを追ったドキュメンタリー。これも、いい。緊張感があるんだけど、40年以上の付き合いが育んだ関係が素晴らしい。太ったし膝も悪いが、無問題。それが、ブラー。
今日は、ライブを先に見たが、私は、この順番が好き。


 『blur:To The End』上映前には、ホフディラン小宮山と永野のトークショー。とてつもなく楽しかった。永野は、OASIS来日に合わせて、「Don’t Look Back in Anger」を演奏しないよう求める署名を集め、OASISに送る、と。絶対に署名したい。

2025/01/26

トラウマと正義感の狭間で。『おんどりの鳴く前に』


 『おんどりの鳴く前に』。村長に対する忖度によって平穏が保たれている村を揺るがす殺人事件。ことなかれに徹して静かに暮らすことを望む主人公の警官を中心に物語は進む。派手さはないが、主人公のトラウマと元来の正義感の不安定なバランスが、絶妙に表現されている。

2025/01/25

章ごとに、紙の色、質が違う、単行本版『すべての、白いものたちの』


 紀伊国屋書店に行ったところ、ハン・ガンをはじめ韓国小説のポップアップ展示。テンショが上がり、大人買い。
 『すべての、白いものたちの』は、文庫版を持っているのだが、単行本を手にして、その装丁に感動。章ごとに、紙の色、質が違うのよ。これは、すごい。 

理不尽さのない正統的な作品。『ヌルボムガーデン』


 『ヌルボムガーデン』。実在するらしい心霊スポットを舞台に繰り広げられる韓国ホラー。
 恨まれて当然な人が恨まれる理不尽さのない正統的な作品。「何で、そんなことするかな〜」と何度思ったことか。
 被害者が加害者になり、その加害者と被害者家族の利害が一致していくという展開、そして、不気味でしかないラストシーンも素晴らしい。好きです。

2025/01/24

元気をもらえること間違いなし。『104歳、哲代さんのひとり暮らし』

 『104歳、哲代さんのひとり暮らし』試写会。尾道に住む哲代さんの101歳から104歳までを追ったドキュメンタリー。哲代さんに元気をもらえるし、出てくる人が、ほんと素晴らしい。哲代さんが、12.8を回想するシーンに、人の命は奪われてはならないと思う。

2025/01/22

トランプ政権に鉄槌を食らわすような痛快さ、『DICKS:THE MUSICAL』


 『DICKS:THE MUSICAL』。A24が放つ超お下劣ミュージカル作品。確かに下ネタは多いが、それほど過激ではない。のだが、トランプ政権に鉄槌を食らわすような痛快さで、とにかく笑いっぱなし。
 そして、劇中歌が、かっこよくて、下らなくて、たまらん。特に、ミーガン・ザ・スタリオンのパフォーマンスは最高だった。加えて、謎のクリーチャー、下水道ボーイズもいい。リピート必至の怪作。

大人にとっては他愛がなくとも、少女たちにとっては一大事。『ペパーミントソーダ』


 『ペパーミントソーダ』。ウェス・アンダーソンが、お気に入りのフランス映画7作品のトップバッターに選んだという1977年の作品。1963年のパリに暮らす10代の姉妹の一年間を描かれている。大人にとっては他愛がなくとも、少女たちにとっては一大事なのである。そんな作品だった。

2025/01/20

大久保のハルコロに行ってみたい。『そして、アイヌ』


 『そして、アイヌ』試写会へ。以前インタビューした『ケアを紡いで』の大宮浩一監督の最新ドキュメンタリー映画。沖縄、朝鮮半島とも共通する差別の歴史。アイヌについて、知ったつもりになっていたと痛感。舞台となっている大久保のアイヌ料理の店、ハルコに行ってみたい。

古典的な要素ありのサイコスリラー。『モルグ 屍体消失』


 『モルグ 屍体消失』デジタルリマスター版。ヨーロッパで最も恐ろしい映画と言われたらしい30年前の北欧作品。伏線を十分に張っておいて、後半にグイグイ回収させる展開で、古典的な要素ありのサイコスリラーかな。
 余談だが、10人ほどの高校生かと思われるグループが、終わってから楽しそうに会話をしてるのが、印象的だった。この作品をどこで知ったのかとか、感想とかを聞いてみたかった。

2025/01/13

結局、みんな、いい人じゃん。『ありきたりな言葉じゃなくて』


 『ありきたりな言葉じゃなくて』。悪くはないが、結局、みんな、いい人じゃんな落とし込みは、好みじゃない。もう少し作りようがあったかと。

2025/01/11

これはハマる。ひたすらにカードをめくり、サイコロを振り、ボードに記入『ニュースボーイズ』


 吉祥寺で昼食を終えて、前から興味があったボードゲームの店、すごろく屋へ。おもしろそうなゲームが並ぶ店内、あれこれ見ていると、店員さんがいろいろと説明もしてくれる。で、『音速飯店』と『ニュースボーイズ』を購入。
 「シオ」「ラー」「タン」「メン」などと書かれたカードを使って、中華メニュー名を揃えていく『音速飯店』は、サクッと手軽に遊べる。
 一方、『ニュースボーイズ』は、街で新聞の販売地域を拡大していくという、カード、ボード、ペン、サイコロを使ったゲーム。まず京子さんと説明書を読み込み、ゲームを始めるまで1時間。そして、ひたすらにカードをめくり、サイコロを振り、ボードに記入。最初は、複雑さを感じたけど、これは、面白いと、二人でハマる。1ゲーム20〜30分ほどだが、楽しいわ。

ミック・ロンソンの映像には満足。『David Bowie: Up Close and Personal』


 『David Bowie: Up Close and Personal』。アンジーが、自慢げにしゃべり過ぎだし、ボウイファンは映像も大してないので、見なくてもいいかも。私としては、ミック・ロンソンの映像がそこそこにあって、良かったけど。

音声トラブルで肝心なセリフが分からず、モヤモヤが残る『私にふさわしいホテル』

 のん主演『私にふさわしいホテル』。原作は柚木麻子、監督は堤幸彦、と、なかなか興味深い。と言うか、のん主演作品は見てるかな。で、無茶苦茶おもしろいのに、途中劇場の音声トラブルで肝心なセリフが分からず。次回使える招待券をもらったが、モヤモヤするわ〜。

2025/01/10

奇妙で可愛らしい寓話『デリカテッセン』

 『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネとマルク・キャロの共同監督作品『デリカテッセン』が、4kレストア版として再上映。核戦争で荒れ果てたパリの精肉店に辿り着いた青年と、訪問者を殺し肉にして売るマッドな父親から救おうとする娘が奏でる奇妙で可愛らしい寓話。いい。

2025/01/07

「rockin’on sonic 2026」のラインアップは?

 「rockin’on sonic」を終えて、一番考えたことは、(40~)50代以上がターゲットのイベントで、今後どのアーティストがラインアップされるのかということ。
 今回のラインアップを見ると、ヘッドライナーは、①1990年代に活躍していた、②今でも活動しているアーティストで、③アリーナクラスの会場をソールドアウトさせることはなくても、ZEPPクラスはいっぱいにするアーティスト。
 そこで、少し古い資料だが、その昔に遠征したレディング・フェスティバル’92のパンフレットを見ながら、考えてみた。
 ヘッドライナーは、SMASHING PUMPKINS、PAVEMENT。今回のマニックス、プライマル、ジザメリの位置に、SUEDE、RIDE、THE CHARLATANS、TEENAGE FANCLUB、THE WONDERSTUFF。
 そこに、今が旬の中堅・若手アーティストが、数組かな。
 それにしても、野外フェスで、LP盤大のパンフが発行されているって、時代性とは言え、すごいと思う。「rockin’on sonic」でも出せば、売れるのでは?

今回は、『スパイナル・タップ』の香りに加え、『ブルース・ブラザース』オマージュあり『ヘヴィ・トリップⅡ』


 『シリアル・ママ』に続いて二本目は、そうとう下らなかった前作に、まさかの続編が!ということで、『ヘヴィ・トリップⅡ/俺たち北欧メタル危機一発!』。
 前作で収監された、“終末シンフォニック・トナカイ粉砕・反キリスト・戦争推進メタル”バンド=インペイルド・レクタム(直腸陥没)メンバー4人が脱獄するところから、物語は始まる。商業主義のプロデューサーに、世界最大のメタルフェス、Wacken Open Airへの出演オファーを受けるも、メンバー間の確執もあり、なかなかうまく行かず。
 『スパイナル・タップ』の香りに『ブルース・ブラザース』オマージュあり。メタル愛に溢れながらも、今のシーンのあり方をシニカルに描くブラックコメディ。今回も笑えた。
 カメオ出演かと思っていたBABYMETALが、普通に演技しているのに、ちょっと驚いたし、「ギミチョコ」がサントラに入っているのも微笑ましいかと。


後半で展開される法廷劇がとんでもなく破天荒『シリアル・ママ』


 2025年、映画館での映画鑑賞最初の作品は、1993年に公開された『シリアル・ママ』。
 厳格な母親が、理想の家庭を維持するために、ルールを破る者6人を雑に殺害。家族もそれに気づくも、彼女は心の病だと信じ逃がそうとするのだが、結局逮捕される。
 ここまでは、まーありがちなのだが、後半で展開される法廷劇がとんでもなく破天荒。法廷で彼女は弁護士を解雇し、自らを弁護。検察、陪審員を相手に、さまざまな理屈を繰り出し、な話。こういう作品、好きだな。
 L7が出演しているのも、素晴らしいと思う。

2025/01/05

次はあるのか? 「rockin’on sonic」

 「rockin’on sonic」。ラインナップとしては、MANIC STREET PREACHERS、PRIMAL SCREAMは文句なしで、初来日以来のTHE JESUS AND MERRY CHAINも良かった。余力があれば、他のアーティストも楽しみたかったが、不満なし。
 そして、退場に時間が掛かるため、がっつりと見ることは出来ないにしても、2ステージの待ち時間がほぼないことや、50代の私たちにとっては、ベンチがたくさんあったのも、うれしい。
 ただ、恐らく50代以上がターゲットのイベントで、この規模の会場がちょうどいいアーティストって、他に誰がいるかしらと考えてしまう。今回、rockin’on sonicに行った人だけでなく、行かなかった人と、その辺の話をしてみたい。
 余談だが、やはり幕張は、ロンドンより遠いことを実感。二日続けてだったし、なおさら。

“If You Tolerate This Your Children Will Be Next”は、混沌とする世界へのマニックスからのメッセージ。「rockin’on sonic」二日目


 「rockin’on sonic」二日目。われらが、MANIC STREET PREACHERS。“You Love US”から始まる代表曲のオンパレード。正直、「もう、いいんじゃね?」と思う部分もあるのだが、曲が流れると体が動き声がでるのは、マニックスファンの性であり、致し方なし。
 ラストは、“If You Tolerate This Your Children Will Be Next”。混沌とする世界へのマニックスからのメッセージと受け止めた。


 マニックスの前には、30年ぶりに見るジザメリ。もう少し轟音だったような気もするが、それでも十分に堪能したけど。

2025/01/04

ラメラメスーツのボビーが素晴らしくボビーだった、「rockin’on sonic」初日のPRIMALSCREAM


 「rockin’on sonic」初日、PRIMALSCREAM。新曲も織り交ぜたセットリスト、良かった。ラメラメのボビーのスーツも素晴らしい。ボビーはいつ見ても、そして調子が良かろうと悪かろうとボビーなんだよね。
 ところで会場にいたみんなは、ニイマリコさんによるボビーのインタビューを読んだかしら? まだなら、読んでね。