2025/06/30

グラシン・ペーパー・カバー

 表紙を傷つけたくないので、本を持ち運ぶ時には、文庫から厚めの単行本まで対応可能な布製や、文庫、新書専用のものなどのブックカバーを被せている。ただ大きさが微妙な本があって、しっくりと来ない場合も少なくない。
 で、先日、紀伊國屋書店に行ったところ、グラシン・ペーパー・カバーなるものを発見。「四六、A5、B5、A4」用と「文庫、新書、A6」用を購入。自宅の空き時間に、せっせとカバーで本を包んでいる。耐水性・耐油性もあるので、書棚のある部屋で焼肉をするわが家には、ぴったり。なかなか気持ちがいい。

惜しい。『でっちあげ』


 『でっちあげ』。児童虐待で告発された小学校教師。無実を晴らそうとする彼の前に立ちはだかるのは、550人もの大弁護団と、煽り立てるマスコミと世論。スリリングな展開は、良かったのだが、ラストが、うーん。問題提起を回収しきれていない。惜しい。

2025/06/29

衝撃のラストに、頭が整理しきれず。『アスファルト・シティ』


 『アスファルト・シティ』。ニューヨークの救急医療隊では、近年、自殺者が増えているのだとか。衝撃のラストに、頭が整理しきれず。

2025/06/28

“Never go back”,『かたつむりのメモワール』

 『かたつむりのメモワール』。離れ離れになった双子の姉弟の物語。切ないが救いがあってよかった。かたつむりは、“Never go back”なんだね。

2025/06/26

呼応する『リライト』と『時をかける少女』


 尾道を舞台にした映画『リライト』。『時をかける少女』オマージュな部分もあるのだが、同様のタイムリープ作品『サマーフィルムにのって』で、河合優実演じる主人公の友人・ビート板が読んでいたのが、(カバーを外した)『時かけ』。呼応し合っている。

ブレイディみかこさんの新著『SISTER“FOOT”EMPATHY』


 ブレイディみかこさんの新著『SISTER“FOOT”EMPATHY』。ファッション誌「SPUR」に連載されていたコラムをまとめ、加筆したもの。特定の読者層をターゲットにした雑誌だけに、なかなか手に取ることもなかったのだが、みかこさんの着眼点&表現力と、“シスターフッド”を、“シスターフット”とした編集者のセンスの勝利。おもしろい。
 みかこさんの本は、カバーに仕掛けがあったりもするのだが、こちらも、なかなか。ぜひに。

2025/06/25

笑えて、泣けて、しかも怖い、タイムリープ作品『リライト』

 池田エライザ主演『リライト』。監督は、『くれなずめ』が印象に残る松井大吾、脚本は、タイムリープものと言えばなヨーロッパ企画の上田誠。そして、舞台は、尾道。これは、期待大とシネマカリテへ。
 冒頭映し出される尾道の風景に、教師役として尾美としのりと、爆上がりするのも束の間、予想を裏切る意外な展開。笑えて、泣けて、しかも怖い。エライザと橋本愛の間に張りつめた緊張感、良かった。また見たいし、売り切れだったパンフレットを手にいれねば。
 ちなみに、エライザ演じる主人公の母親役には、『ルノワール』でも、母親を演じた石田ひかり。どちらも素晴らしかった。

2025/06/24

多層の差別を重ね合わせて。『ラ・コシーナ』


 ニューヨークのレストラン「ザ・グリル」を舞台に繰り広げられる人間模様を描いた『ラ・コシーナ』。見たかったのだが、上映劇場と時間が限られていて、タイミングが合わず。何と今週末にも終映ということで、急遽、午後から休みを取って見ることに。
 移民差別だけでなく、ジェンダー、職業など多層に重ね合わせた作り。ノイズが過ぎるのも現実的な描写だと思うが、好き嫌いが分かれるかと。

2025/06/22

何よりも身につまされる、『おばあちゃんと僕の約束』

 タイ映画『おばあちゃんと僕の約束』。主人公の家族は、中国系のタイ人。ざっくり言えば、遺産相続の話なのだが、最後の最後まで、まー腹立つエピソードばかり。「涙があふれて止まらない」は、言い過ぎだが、それでも、最後はちょっと泣けたし、何よりも身につまされる。

2025/06/21

キャスティングの妙、『ルノワール』

 『PLAN75』の早川千絵監督の最新作『ルノワール』。早川千絵監督の脚本もだが、主演の鈴木唯ほか、石田ひかり、リリー・フランキー、河合優実、中島歩と、キャスティングが素晴らしい。確実にリピート。


 で、今日は、上演後に舞台あいさつも。自らを幼稚だと自己分析するリリー・フランキーの幼稚さが楽しかった。

2025/06/20

LIGHTERSの「Enchantment on the moon」。ゲストは、ステレオガール


 LIGHTERSの「Enchantment on the moon」。ゲストは、ステレオガール。
 ステレオガールを見るの何年ぶりだろう? とにかく曲がいいのだが、音が分厚く、何よりもメンバーが楽しそうなのが、いい。もっと長いセットを見たい。
 で、LIGHTERS。バンドとしての三人編成になっては、初めて。いろいろ迷ったりした末に、シンプルな編成に戻ったって感じかな。台湾でのライブなど、演奏の機会は多いだけに、安定してきた。ゲストのギタリストを交えた四人スタイルは、ボーカルの良さがより際立つし、今後もあるのかな。
 とにかく最高の夜だった。

2025/06/18

まだ咀嚼できていません。『無名の人生』

 『無名の人生』。何だろう、うまく咀嚼できていない。ただ誰しもが無名の人生を歩んでいるように思う。「◯◯くんのお母さん」とか「◯◯さんの彼」とか、まさに。
ヴィヴィアン佐藤さんと鈴木竜也監督のトークで、物語の背景など、何となくだが、理解を深められた。
 100ページにも及ぶパンフレットを購入(これ、すごいです)。じっくり読んで、もう一度だね。

 

主人公は、金権と利権にまみれた日本の政治家のよう。 『我来たり、我見たり、我勝利せり』


 『我来たり、我見たり、我勝利せり』。上級国民を自任する主人公の趣味は、「人間狩り」。金持ちが正義。悪事を働いても捕まらない一家とその取り巻きのストーリー。
 主人公は、ヒトラーで、トランプで、マスクであり、金権と利権にまみれた日本の政治家そのもの。退治しなければならない。

2025/06/16

思い込みって怖い。 『ハイテンション』


 『ハイテンション』。フレンチホラーだそう。思っていたような作品ではなかった。勝手に思い込んでいた、私が悪いのだが。日曜日の午前中に見る映画ではなかったが、かなり好き。

2025/06/14

ちょっと残念、『ドールハウス』


 『ドールハウス』。バッドエンドありきなのが残念。いろいろと展開して悪くないんだけど、読めてしまうのよ。難しいね。

2025/06/13

あまりにも不条理、『アメリカッチ コウノトリと幸せな食卓』


 『アメリカッチ コウノトリと幸せな食卓』。子供のころ、迫害から逃れるためアメリカに渡ったアルメニア人男性。大人になって母国に戻るも、そこはソ連統治下。そして無実の罪で収監されてしまう。それでも、楽しみを見つけ生きようとするのだが⋯。あまりにも不条理。これが戦争であり国家思想の対立。ほんと仲良くしようぜ、と思う。

2025/06/11

『Koizumi In The House』


 小泉さん自身がプロデュースし1989年にリリースされた『Koizumi In The House』が、ドイツのレーベルSound Metaphors Recordsから再リリース。ソールドアウト必至ということで予約購入。キョンキョン関連のリリースラッシュ、付いていくのに必死。

2025/06/10

辞書尚友(JISHO SHOW YOU)

 辞書好きの大学生によるインカレサークル、辞書尚友(JISHO SHOW YOU)。職業柄、辞書にあたることは多いのだが、何だ、この人たちは? きれいな文章が並んでいるし、ていねいに作られていて、気持ちがいいZINE(同人誌)に出会えた。


 ちなみ、私が一番好きな辞書(辞典)は、齋藤秀三郎著『英和中辞典』。初版は、1915年。熟語に重点が置かれた用例とその訳が、秀逸で、パラパラッとめくって読むのが好き。

『リンダ リンダ リンダ』が、4Kに!


 何でも4Kにすればいいってわけではないが、この予告編を見る限り、マイ・オールタイム・ベスト・ムービーの一つ、『リンダ リンダ リンダ』の4K版は極めてよさそう。
 日本公開は、8月22日~。早く見たいし、blu-rayも出してほしい。




2025/06/09

10年くらい経って、40代のマキシーンがどうなっているのかを見てみたい。 『MaXXXine』

 『MaXXXine』2回目。今日は、シネクイント。スタンプカードが一杯になったので1回無料を発動。この作品については、前回のアップリンクよりも、シネクイントのスクリーン2の方が合っているように思った。
 ところで、この作品、三部作の最終章なわけだが、「えっ? ほんとに終わりなの?」が、正直なところ。10年くらい経って、40代のマキシーンがどうなっているのかを見てみたい。




 そうそう、マキシーンが、リジ―・ボーデンのMVオーディションに落ちたというエピソードが紹介されるのだが、「なるほどね」な説得力のある設定だった。

『ウルフ・ウォーカー』同様、圧倒的な絵の力に感動、『ソング・オブ・ザ・シー』


  6月8日は「世界環境デー」ということで、『ソング・オブ・ザ・シー』が1日だけの再上映。『ウルフ・ウォーカー』は観ていたが、こちらは初めて。
 陸上では人間で海ではアザラシの姿になる妖精・シルキーの母と、人間の父の間に生まれた兄と妹。シルキーの血を引いた妹がフクロウの魔女にさらわれ、兄は妹を救うため度に出るのだが。
 アイルランドの神話をベースにした、温かくて切ないファミリー・ストーリー。ストーリーもだが、『ウルフ・ウォーカー』同様、圧倒的な絵の力に感動。すばらしい。


『サイコ・ゴアマン』みたいなテイストもありな『リロ&スティッチ』


 『リロ&スティッチ』。まったく初めてで、予備知識もゼロでの鑑賞。すごく良かったし、何度泣いたことか。そして『サイコ・ゴアマン』のようでもあり、楽しめた。

RATTの、「I’m Insane」が流れるとは!『MaXXXine』


 『X』『PEARL』に続く三部作最終章『MaXXXine』。舞台は、1985年のハリウッドで、主人公は、『X』で猟奇殺人を生き延びたマキシーン。製作は、A24、監督は、タイ・ウエスト、主演は、ミア・ゴス、そして共演に、ケビン・ベーコン。これだけで、鳥肌もの。
 前二作とは違ったテイストで、この作品を独立した映画として見ても成立する。が、見ておいた方が楽しめるかも。ホラー、スプラッターの名作へのオマージュありだし、PMRCが叫ばれだした時代背景が描かれていて、世代としては、ツボ。そして、RATTですよ。しかも、「I’m Insane」。家に帰って聞こう。

2025/06/04

ラストシーンのふみちゃんと、ひきこもりの兄、むっちゃんの距離感が絶妙。『折にふれて』


 村田陽奈監督作品『折にふれて』。京都芸術大学の卒業製作として、村田監督をはじめ9人による秀作。主人公のふみちゃんの実直さ、いるのにいないような存在として描かれる兄のむっちゃんと家族の関係性が、とてもていねいに表現されている。ラストシーンのふみちゃんとむっちゃんの距離感が絶妙。


 上映後には、村田監督と、むっちゃん役の豊山紗希さん、ゲストの辻凪子さんのトークショーと、何とも豪華。辻さんのインタビュアーぶりが素晴らしく、興味深い話が聞けた。
 パンフレットに村田監督、豊山さんのサインを頂き、さらに辻さんの出演作『夜のマニマニ』『みんな笑え』のパンフレットを持っていき、辻さんのサインも。
 併映は、村田監督の短編作品『水魚の交わり』。こちらは、男子中学生同士のひと夏を描いた短編。じゃれあったり、すれちがったり、誰もが経験した、あれこれ。
 6月6日まで、新宿K’sシネマで限定上映。

2025/06/01

人は、再生できるのか? 『秋が来るとき』


 フランソワ・オゾン監督作品『秋が来るとき』。人間の再生の物語。それぞれが、静かに見えて、激しく葛藤するさまが、ていねいに描かれていた。いろいろと考えさせられるし、あの結末で良かったのかな~、と思ったり。