『べネシアフレニア』。オーバーツーリズムが原因で起きる連続猟奇殺人。住民感情を盾にし、観光客を欺く犯人は単独なのか。イタリアのジャーロ映画へのオマージュに溢れるスペイン映画。
アルジェントを感じつつも、市川崑のような映像美も。流れる音楽に神経を煽られる。これは、いい。
そして、ほぼ事前の知識なしに見たのだが、主演(だと後で気づいた)のイングリッド・ガルシア・ヨンソンが、すばらしいのよ。
今日は、『ぼくたちの哲学教室』試写会&イベントで、ユーロライブへ。
この映画は、北アイルランド紛争という暗い歴史がトラウマとなり、今も人々の心に重くのしかかる北アイルランド・ベルファストの公立男子小学校が舞台。
エルビス・プレスリーを愛するケヴィン校長は、「どんな意見にも価値がある」と、小学校内の哲学教室で、子供たちに思索と対話を促し、自身の経験から、「暴力で平和は実現できない」と伝える。
その姿を、ナーサ監督は二年間にわたって撮影、絶妙な距離感を保った映像が素晴らしい。試写イベントでは、ケヴィン校長とナーサ監督が揃い踏み。撮影に至った背景や対話の大切さなどを語る二人。すばらしい時間だった。
そして、明後日15日には、神奈川県内の小学校で、ケヴィン校長が哲学授業を行なうとのこと。取材でお邪魔することに。楽しみだな。
『ガール・ピクチャー』。17〜18歳の少女3人たちが過ごす3回の金曜日の出来事を描いたフィンランド映画。三日間の話とは言え、時間の経過としては、約二週間なわけで、金曜日以外の日、不器用な彼女たちは、どういう思いだったのだろうか、と。
で、エンドロールが始まると席を立つ人がチラホラ。すでに知っているのであれば、いいのだが、最後まで見届けた方が、いいかもね。