2025/05/31

結局、ロンドンに行きたくなる。『パディントン』


 『パディントン』。今回は、ペルーが舞台なのだが、結局、ロンドンに行きたくなるのよ。そういうものね。

2025/05/26

人は、犯した罪を許され救われるのか? 『THE DEVIL’S BATH』


 『THE DEVIL’S BATH』。17〜18世紀のヨーロッパでは、死にたい人は自殺するのでなく、誰かを殺害し、そのことを教会で告解。そのことをもって赦され(処刑され)天国に行けるといわれ、ドイツ語圏では400件ほどの事例が残されているのだとか。しかも、そのほとんどが女性だったという。
 作品の舞台は、18世紀のオーストリアの小村。女性が家や村の慣習に馴染めず追い込まれていくさまが、ていねいに描かれている。
 ラストシーンは、引くほどに怖い。


『ウナイ 透明な闇 PAFAS汚染に立ち向かう』


 平良いずみ監督作品『ウナイ 透明な闇 PAFAS汚染に立ち向かう』マスコミ試写会へ。
昨年末、平良さんにお会いした時、本作については聞いていて、その後、さらに取材・撮影を重ねられ、いよいよこの夏上映。
 PFAS問題って何だろなという人は、まだ多いはず。とても理解しやすいし、何より社会や政治って変えられるはずと、希望が沸いてくる作品。

2025/05/25

『キャリー』や『バスケットケース』の影響はあるのか? 『サブスタンス』


  『サブスタンス』。京子さんを説き伏せて、2回目。途中、『キャリー』っぽくもあり、最終的に、『バスケットケース』感が漂う不思議な作品。監督も好きなのかしら?

2025/05/24

「未知との遭遇」って、そっちの都合でしょ? 『サスカッチ・サンセット』

 『サスカッチ・サンセット』。A24で、アリ・アスター、UMA。「未知との遭遇」って、そっちの都合でしょ?と。乱開発、環境破壊。人間ってな作品。そして、案外に、スリリングで、そして物悲しい。いいです。

2025/05/21

主人公が覚醒するラストは見応えあり『ウィキッド ふたりの魔女』

 『ウィキッド ふたりの魔女 Wicked』。自分では決められない出自に抗い、悩みながらも、自我を捨てはしない主人公。
 
『The Witch/魔女』三部作や『X』シリーズにも通じる設定(内容や表現方法はまったく違うけど)で、ちょっと楽しみにしていたのだが、前半が長いし、そこまでミュージカルが好きではないので、少し疲れたものの、スクールカーストや独裁者に洗脳されていく大衆の描き方は悪くないし、主人公が覚醒するラストは見応えあり。
 冒頭、「Part 1」が宣言され、次回作が11月に全米で公開されるとか。気になると言えば、気になるのだがね…。

2025/05/20

あっさり薄口。ヒュー・コンウェルのソロ作品と同タイトル。『ノスフェラトゥ』


  『ノスフェラトゥ』。『ライトハウス』監督のロバート・エガースが、ホラーの古典「吸血鬼」にあらたな解釈を加え再構築ということでかなり期待していたのだが、あっさり薄口。先に見た『ガール・ウィズ・ニードル』が、あまりに強烈だったので、そう感じたのかも。


 ちなみに、THE STRANGLERSの初代ボーカル、ヒュー・コンウェルのソロ作品も『ノスフェラトゥ』。なかなかいいアルバムなのよ。

戦争、貧困、格差、女性蔑視など、いま見ておきたい。『ガール・ウィズ・ニードル』

 『ガール・ウィズ・ニードル』。デンマークで100年前に起こった乳児殺人事件に着想を得たという作品。
 妊娠し男に見放された主人公が出会ったのは、里親探しを支援する女。女を頼る主人公だが、女の正体は⋯。その事件の背景には、戦争、貧困、格差、女性蔑視。
 全編モノクロで描かれた作品は、終始重たく辛い場面も多いが、ラストの微かな光に救われた。いま見ておきたい作品。

2025/05/18

ここ数年では、一番、エビ中らしかった。「小林歌穂プロデュース公演〜私のわがまま聴いておくれミニツアー」


 私立恵比寿中学「小林歌穂プロデュース公演〜私のわがまま聴いておくれミニツアー」。ここ数年では、一番、らしかった。だって、「新・青春そのもの」ですよ。

2025/05/17

エンタメ業界に中指を付きたてた衝撃のホラー映画『サブスタンス』


 コラリー・ファルジャ監督とデミ・ムーアがタッグを組み、エンタメ業界に中指を付きたてた衝撃のホラー映画『サブスタンス』。薬の投与により自分の分身が背中から生まれるという設定からして突拍子もないのだが、分身の暴走を静止しようとするも、終いには、分身と融合し、テレビスタジオでの生放送に乗り込み、ブチまかすって、痛快過ぎる。
 彼女らを突き動かすものは、美への執着。その目的は?と、大いに考えさせれれるテーマを、ああいう描写で表現したファルジャ監督は、さすが。そして、デミ・ムーアの吹っ切れた怪演、マーガレット・クアリーの白熱の演技も見もの。
 もう一回、見てしまうかも。そうとう後引く作品かと。

2025/05/15

地方自治から国政、そして馳浩まで、「映画と民主主義」


 LOFT9で、『能登デモクラシー』公開直前SPトークショー「映画と民主主義」。これまで取材した『能登デモクラシー』監督の五百旗頭幸男さん、『◯月◯日、区長になる女。』監督のペヤンヌマキさん、『NO 選挙, NO LIFE』主演の畠山理仁さん、そしてプリ鹿島さんによる刺激的なイベント。
 途中から、『国葬の日』監督の大島新さん、『NO 選挙, NO LIFE』監督の前田亜紀さん、フリーライターの相澤冬樹さんが加わり、収拾できるのか?な流れに。
 地方自治から国政、そして馳浩まで。おもしろ過ぎた。会場と配信セットのチケットだったので、週末にアーカイブを楽しみたい。

あの時どうだったのかな~、と考えさせられる、『季節はこのまま』

 『季節はこのまま』。コロナ禍のロックダウンを振り返るロマンティックコメディ。フランスと日本の違いはあれど、あの時どうだったのかな~、と考える。
 私の場合、生活様式とまでは言わないが、いろいろと考え方は変わった。いい意味で。

2025/05/13

かなりざっくり言えば、キム・ダミの『魔女』みたい。 『VENUS』


 『VENUS』。ラヴクラフトの短編「魔女屋敷で見た夢」を原案にした、スペイン発のホラー映画との触れ込みだが、スピード感もあり家族愛も感じさせる点もあり。
 ラスト15分なんか、かなりざっくり言うとキム・ダミの『魔女』みたいだし、伏線は確かに張ってあった「うそだろう!」な展開は、とても好き。続編があっても許す。

 

2025/05/12

案外に清々しいゾンビ映画。『噛む家族』


 「田辺・弁慶映画祭セレクション2025」で、馬渕ありさ監督『噛む家族』。社会とつながりたいゾンビ一家が、事故的に人とつながり、ここまでは悪くなかったのだが、SNSがきっかけであらぬ方向に。ドタバタしているし、辛辣な言葉も並ぶのだが、案外に清々しかったりもする。
 併映で、馬淵監督の前作『ホモ・アミークス』。上映後には、馬渕監督らの舞台あいさつとサイン会。パンフレットやポスターでひと際目立つおばあちゃん役の下東久美子さんがチャーミングだった。

伊東蒼が素晴らしい。『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』


 原作も読み始めた『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』2回目。
 原作のあのシーン、すご過ぎるのだけど、さっちゃん役の伊東蒼の熱演が圧巻で、結末を知っているだけに、ここで号泣。そしてラストの「初恋クレイジー」をバックに流れるさっちゃんの映像に、また号泣。また見に来るかも。

2025/05/11

ソフィー・サッチャー、クロエ・イーストの演技が素晴らしい。『異端者の家』


 『異端者の家』2回目。ヒュー・グラントの怖さが強調されるが、いやいや、ソフィー・サッチャー、クロエ・イーストの演技が、これまた素晴らしい。だから、怖いのよ。

2025/05/10

終戦ですべてがリセットされるわけではない現実を描いた『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』

 『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』。従軍写真家、リー・ミラーの生涯を、ケイト・ウィンスレットが製作総指揮・主演で描いた作品。
 勇まさしなどなくて、ただただ虚しい戦争を、最前線で捉えたミラー。終戦ですべてがリセットされるわけではない現実は、広島、長崎、沖縄に重なる。

2025/05/09

スピッツの「初恋クレイジー」で号泣。『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』

 『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』。原作は、ジャルジャルの福徳秀介。河合優実の出演作は一応見ておこうと劇場へ。監督は、こちらも河合優実が出演していた「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」の⼤九明⼦。
 原作は読んでいないのだが、とても愛おしくて切なく優しい作品。主演の萩原利久、河合優実、そして伊東蒼、それぞれの長セリフのシーンにしびれ、劇中で流れるスピッツの「初恋クレイジー」で号泣でした。

2025/05/06

連休の過ごし方


 連休は、吉祥寺まで散歩したり、芦花公園でピクニックしたり、砧公園を散策したり。毎日、まぁまぁ歩いた。酒が、うまい。

2025/05/04

タリア・ライダーの演技(バレエも)がすご過ぎて、びっくり。『JOIKA』


 『JOIKA』。『スイート・イースト』のタリア・ライダーが主演。自分だけを信じて信じて、プリマをめざすバレリーナ。ボリショイバレエ団が、何と古典的な組織化と。今でも、そうなのかね。それにしても、タリア・ライダーの演技(バレエも)がすご過ぎて、びっくり。いい役者です。

2025/05/02

最後まで我慢して見るべし。『けものがいる』

 『けものがいる』。そんなに遠くない2044年の話。AI中心の社会では、人間の感情は必要ないとされ、心を浄化しないと就職もできないのだとか。何だか、嫌な世界だね。
 時代をあれこれ行き来する展開が複雑で、伏線を回収したのかと思いきや、されてなくて。2時間30分、心が折れそうになりながら見た。で、最終的に、我慢の甲斐があったよ。怖いです。


今年初めて2度見た『KIDDO』

 『KIDDO』。今年、2回見る映画は初めて。破天荒な母親としっかり者の娘。セリフにもあるように、ボニー・アンド・クライドと言えなくもないのだが、設定がとてもリアル。泣きどころが分かっているだけに辛い。また見るかもなほど好きな作品。

天国への扉の先は地獄。『異端者の家』


 A24のサイコスリラー『異端者の家』。モルモン教徒の女性2人が、天国への扉を開いたら、地獄だった話。ヒュー・グラントが怖すぎるのに加え、時間を追うごとに変化するソフィー・サッチャーとクロエ・イーストの演技も素晴らしい。
 劇中で流れるThe Hollies「The Air That I Breathe」、Radiohead「Creep」が、不穏な雰囲気を増長させる。エンディングのソフィー・サッチャーが歌う「天国への扉」に妙に納得したり。音楽、効果音を楽しみたいので、音響設備のいい劇場が、お勧め。