喜怒哀楽が散りばめられた大会だった。紫雷美央に敗れベルトを奪われた志田光の涙とマイクアピールがすべて。未来のあるバッドエンド。久々の観戦だったが、アイスリボンをまた追いかけたくなった。
■第1試合 大島くじら vs 松本浩代(エスオベーション)
40歳の大型(120キロ)新人、大島くじらのデビュー戦。ドタドタしてるしスタミナもない。これでプロと言えんのか?という彼女だが、相手は、試合巧者の松本浩代。何とか試合は成立したが、課題多し。
■第2試合 インターナショナルリボンタッグ選手権試合20分1本勝負
【王者】つくし&くるみ vs 【挑戦者】チェリー(ユニオン)&内藤メアリ
チェリー&内藤の38歳同士が新ユニットBBA38を結成。合計27歳の十代コンビに挑んだが、大人気ない攻撃の連続も、あえなく敗退。つくし&くるみの成長が思ったよりも停滞気味なのが気になる。
■第3試合 シングルマッチ10分1本勝負
りほ vs 希月あおい
さくらえみを追いかけて対談するりほのアイスリボンラストマッチ。笑顔があってアイスリボンらしい一戦。同じ日に、りほは、さくらの我闘雲舞に入団。
■第4試合 トライアングルリボン選手権試合15分1本勝負
【王者】新田猫子vs【挑戦者】ヘイリー・ヘイトレッド(フリー) vs 渋谷シュウ(WAVE)
新田猫子がかなり動けるのに驚いた。渋谷も相変わらず動きは良いが、ヘイリーのパワー&スピードが一枚上。この後の試合で、アリス十番が出てくるのだが、ルックス&コスチューム的に見て、ヘイリーとのコラボも面白いと思う。
■第5試合 崖のふちプロレスvsDDTプロレス全面対抗戦 時間無制限3本勝負(試合形式未定)
松本都(崖のふちプロレス) vs 高木三四郎(DDTプロレス)
ここからラストまでの持って行き方が秀逸。観客動員が伸び悩むアイスリボン(崖のふち)に対して、武道館大会を成功させたDDT高木社長のヤケドしそうに熱いメッセージ。アリス十番にも届いたみたい。インディが置かれた現状が、真正面からぶちまけられた。
因みに、アリス十番は、得意のダイブも披露。ボートに乗ってリング外を1周したが、これは航海と言うらしい。けっこう良かった。
■第6試合 アイスリボン vs WAVE 6人タッグマッチ 60分3本勝負
藤本つかさ&星ハム子&成宮真希 vs
GAMI(WAVE)&桜花由美(WAVE)&水波綾(WAVE)
いわゆる対抗戦として組まれたが、WAVE勢に、そんな気はなし。飲まれっぱなしで負けたアイスリボン。しかも、試合後には、負けたとは言え、ホームリングで決めポーズまで許してしまった。GAMIと桜花を本気にさせるのは、まだまだ難しいか。
■第7試合 ICEx60選手権試合20分1本勝負
【王者】志田光 vs【挑戦者】紫雷美央(フリー) 美央の気迫が志田のそれを大きく上回る。あっけなく丸め込まれて負け。美央は、女子プロレスのベルトを初戴冠も、こみ上げてくる憤りをアイスリボンの選手たちにぶつける。以下、アイスリボンのHPから引用。 美央「初めてチャンピオンになったのに、何、このお客さんの数。今のアイスリボンはこれくらいの人数にしか響かない。本当に未来があるのかよ! お前ら、悔しくないんか。今日、アタシはそんなに強い技出してへんで。アタシに誰もかかってこないのか!」。
確かに、雨が降ったとは言え、 観客動員は良くなかった。そして目立ったのは、外敵とアイドル。アイスリボンらしさは出ていたが、なかなか届かない。特に、子供と女性がほとんどいない状況。男だけってのが悪いとは思わないが、実際、子供や女性に観てもらいたいって、選手たちは感じているんじゃないかな。
大晦日、ここ後楽園ホールに戻ってくるアイスリボン。それまでの間、横浜、名古屋でのビッグマッチも続く。りほという主力選手もいなくなった。さて、志田と藤本はどんな戦略を打ち出すのか。