古典落語の『釜泥』をベースに、大阪・西成で撮影された風刺とメッセージ性たっぷりの人情劇『月夜釜合戦』。ヤクザ、路上生活者、娼婦、芸人、悪徳警察、ブローカー、これでもかっていうほどの濃いキャラクターが勢揃い。笑いあり、涙あり、いや笑い飛ばす場面に溢れている。が、それが、また、釜ヶ崎の市井を、リアルに描いている要因でもあるのかな。
16ミリフィルムで撮影された画面もざらっとしていて、しょんべん、酒、たばこの匂いを増幅させている。
そして、過激派、マルクス、インターナショナルって、隠し味も、つぼな要素。だって、「釜共」ですよ。こりゃ、ハマるわ。デモとシュプレヒコールも大切。