世界で最も有名な図書館、ニューヨークの観光名所ともなっているエクス・リブリスの舞台裏を収めたドキュメンタリー、『ニューヨーク公立図書館 エクス・リブリス』。
「19世紀初頭のボザール様式の建築で知られる本館と92の分館からなる世界最大級の〈知の殿堂〉ニューヨーク公共図書館だ」(映画公式サイトから)だというが、映画を見るまでまったく知らなかった。
映画は、まさに知の殿堂の日常を捕らえていくが、そのほとんどは、裏方であるスタッフや地元ボランティアの姿である。市から予算削減を言い渡され、いかに戦略をもって、予算を獲得していくのか。人種と多様性の街ニューヨークの図書館は、どうあるべきか。文化、情報、人権、尊厳を守り継承しようとする取り組みは、まさしく民主主義である。
トランプの出現は悲観的でしかないが、エクス・リブリスとそれを支える民がいるアメリカは、やっぱり凄いなと感心してしまう。図書館というか、公共施設の理想像を見た。