「太平洋戦争の平和記念館を設立させることで、ある人物の過去を改竄しようとする市長と、それに反対する戦犯遺族の物語」
『なんのちゃんの第二次世界大戦』。オール淡路島ロケ、そして、淡路島でのオーディションで選ばれた10歳の西めぐみをはじめ、新人キャストの演技が妙にリアル。戦争、平和、政治、何を信じればいいのか? 30代前半の河合健監督のもやもやが見事に昇華。
映画の中核をなすカメの存在。「こいつは侵略的外来種だ。日本の生態系を乱した悪の権化である。こいつがどこから来たか分かるか?」「アメリカだよ。ミシシッピって名前だろ。こいつはアメリカから来た。でも、こいつを繁殖させたのは誰だ? 日本人だよ。分かるか、お前ら。侵略的外来種の、侵略の手伝いを、侵略された張本人がしてるんだ。被害者のフリをした加害者ってわけさ」
10歳のマリのセリフが沁みる。