2016/11/28

この世界の片隅に


 こうの史代原作をもとに、アニメ化された映画『この世界の片隅に』を観た。舞台は、戦前~終戦までの、呉、そして広島。主人公のすずを演じるのは、のん(能年玲奈)。これが、素晴らしいはまり役で、静かに、時に激しく、主人公の感情を表現している。ちょっと強めに聞こえる呉や広島の方言も彼女によって優しく柔らかくなっているのも、他の登場人物との対比で面白い。
 作品は、静かな生活や人の心が、空襲、原爆、終戦によって、変化していくさまをていねいに描いていて、好感が持てる。ハッピーエンドではないし、重たいが、観て良かった。
 そして、平日の昼間なのに、ほぼ満席。いま、この映画を支持する層が存在することは、重要だと思う。