2019/06/26

10代は、生意気シャルロットな『さよなら、退屈なレオニー』


 『アナと世界の終わり』上映時に予告編を見たカナダ映画『さよなら、退屈なレオニー』。
 あと1ヵ月で高校を卒業する女の子が、卒業後何をするか見つからず、親や義父にいらつきながら過ごす毎日。何をやっても長続きしない彼女が、ある日、ギターを習い始める。
これまでも多くの作品のテーマとなった10代の葛藤、夏休み、卒業を主題に物語は進行する。置かれていく布石、ケベック州の美しくも住む人にとってはちょっと退屈な風景や街並み、その風景や街並みと互いに映え合うレオニーの衣装、物語のフックとなる音楽などの仕掛けが、1時間30分という長くはない上映時間にぎゅっと詰まっている。派手さはないけど、心のうちにじわじわと来る映画。
 そして、レオニー役のカレル・トレンブレイ、いいです。ルックスはまったく違うけど、10代のころのシャルロット・ゲンズブールみたい。また、ギター講師役のカレル・トレンブレイのギタープレイが、やけにうまいと思ったら、役者でありミュージシャンなのだとか。武蔵野館に彼のレコードが展示されていて納得。
 ちなみに、原題は、『蛍はいなくなった』らしい。映画を見終えて知って、こちらも納得。