芦花公園駅にある世田谷文学館で16日の土曜日から始まった『あしたのために あしたのジョー!展』を見に行くことに。自宅から徒歩で30分ほど、一番乗りだった。館内には、高森朝雄(梶原一騎)氏の手書き原稿や、ちばてつや氏の原画、さらには、両氏の往復書簡などが貴重な資料が展示されていた。
私にとって、『あしたのジョー』は、リアルタイムではない。ただコミックや、アニメの再放送や映画で慣れ親しんだ作品。一番印象に残っているのは、少年院での力石との初対戦の場面。前半の泪橋から少年院あたりまでは、強烈な臭いを覚えて、今回の展示でも、原画を見ているだけで、同じ感覚に陥ってしまう。ちなみに、音が聞こえるのマンガは『がきデカ』。
展示物の中で、面白かったのは、高森氏の原作とちば氏のマンガ原稿を上下に並べて対比しているコーナー。原作が、マンガでどう表現されていくのかが分かる。そして、作品を巡る高森氏のコメントを見て、より理解が深まっていく。
大きく引き伸ばされた最終回時のマガジンの表紙も展示されていた。当時の連載のラインナップ、すばらしい。というか、『空手バカ一代』も掲載されているじゃない。高森氏は『あしたのジョー』だけでなく、当時、梶原一騎名義で『巨人の星』や『タイガーマスク』もほぼ同時期に手掛けているんだからね。すごい才能だと思うし、氏の作品には大きな影響を受けていると改めて実感した次第。
そして、引揚者であるちば氏が、この作品などに込めた思いも知ることができるいい展覧会である。また行こうかな。