2022/06/14

『八つ墓村』と違い祟りではないが、しっかりと怖い『丑三つの村』


 1983年公開の松竹作品『丑三つの村』が、リバイバル上映。戦時中の岡山で起きた大量殺人事件を描いた西村望のノンフィクション小説が原作。主演の古尾谷雅人はじめ役者の演技が怖いほどに素晴らしい。特に田中美佐子が良かったが、五月みどり、池波志乃の妖艶かつしたたかな振る舞いが、主人公を逆撫でしていくさまが、秀逸。
 ちなみに、同じ事件をモチーフにした小説が『八つ墓村』。で、こちらの映画化作品は、幼いころにテレビで見て、あまりの怖さに腰を抜かしたことがある。同じ題材でもテイストが違っていて、面白いが、演出における時代感はけっこう似ているし、しっかりと怖いね。