今年最初のアップリンク吉祥寺は、『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル』。年末にトレーラーを見たときから、これは外せないと思った作品である。
舞台は、人口10万人あたり53.2のメタルバンドが存在し、人口比率で世界で最も多くのメタルバンドがいるメタル超大国フィンランドのとある田舎町。“終末シンフォニック・トナカイ粉砕・反キリスト・戦争推進メタル”をめざす4人組を描いたコメディなのだが、バンドでは食えない主人公らが就く職業が、介護施設職員、トナカイ解体業、図書館司書と、何だか現実的。彼らの周りは、田舎にありがちな保守的思想にあふれ認められないところに、舞い込むノルウェーでのフェスへの出演話。そして、そこから展開するストーリーが、とにかく馬鹿馬鹿しいし、ある意味危険。でも、きちんと回収されていて、案外に優等生的な映画かも。地上波は無理だと思いますが。