2021/12/10

国後は、ロシア語でも、クナシリ。『KOUNACHIR』

 旧ソ連出身フランス在住のウラジミール・コズロフ監督『KOUNACHIR』。ロシア連邦保安庁の特別許可と国境警察の通行許可を得て撮影したというが、淡々と今の国後島が映し出される。愚かな政治家に翻弄された日ロの市井の人々。現在住むロシアの老人がアイヌを語る姿が印象的だった。
 思想に関係なく、誰もが知った方がいい現実。シアターを出たとき、「期待はずれ」とつぶやいた客がいたが、直視したくなかったのかもな。物悲しい作品だった。