2021/12/16

栃木の映像集団「大田原愚豚舎」


 栃木の映像集団「大田原愚豚舎」の新作を2本。「大田原愚豚舎」作品も初、しかもタイトル含め、上映当日の今日まで分からない。
 1本目は、コロナでどこにも遊びに行けない小学生の夏休みを描いた『地図にない海』。祖父母の家で過ごす璃子ちゃん(本名)が朝起きて、リコーダーの練習をして、ご飯を食べて、寝る。その間に、少しだけ冒険的要素があるのだが、とてつもない何かが起きるわけではない。
 2本目は、サティの曲をモチーフにした、孤独な男の話『VEXATIONS』。「VEXATIONS」という曲は、1枚の楽譜に収められたフレーズを840回繰り返さなければならないという苦行のような作品だとか。サティ特有の編曲・指示により弾く者、聴く者は、ただならぬ世界に入っていくらしい。映画では、男のルーティンが数日繰り返されていく。
 どちらもモノクロだが、まったく違うテイストで、どちらも好み。過去作、漁りたいね。
 各作品上映後には、監督の渡辺紘文さん、音楽の渡辺雄司さん、映画プログラミングディレクターの矢田部吉彦さんによるトーク。ネタバレ続出で面白かった。