2022/08/30

『ロッキーvsドラゴ』。42分は、未公開映像だが、どの部分だか、よく分からん


 東西冷戦終結前夜に公開された『ロッキーvsドラゴ』。いわゆる『ロッキーⅣ』が再編集され限定上映。何と42 分は未公開映像に差し替えですよ。リアルタイムで見ているのだが、どこを差し替えたのか、よく分からんが、ロッキーが最後に言う、「ここで、二人の男が死闘を繰り広げたが、(米ソ)2000万人が殺し合うより、まし」は今、響く言葉だね。
 ところで、この作品、最初に見たのは、修学旅行先の京都。自由行動の時間に雨が降っていたので、映画でも見るかなと劇場に入ったのを思い出す。その後、遅れて上映された地元・日田の映画館でも見たな。

ラストの展開は悲しくもあるが、キュートな作品、『スワンソング』


 『スワンソング』。ゲイである年老いたヘアメイクドレッサーが、親友に死化粧してほしいと遺言を残されたことに端を発し、苦い思い出を胸に昔住んだ街へ向かうロードムービー。保守的な地域で、ボーイフレンドがエイズで亡くなったことが、主人公の悲しみを増幅させていく一方で、新しく出会う人たちとの出会いが、微笑ましい。ラストの展開は悲しくもあるが、キュート。いい作品です。

2022/08/29

案外にばかばかしい『NOPE』


 最初に見た予告編では、何のこっちゃ?だったのだが、違ったバージョンの予告編もあって、徐々にこんな感じかな〜だった『NOPE』。でも、実際に見てみると、思っていたのと違った。案外ばかばかしいというね。冒頭からちょいちょい挿入されるあの事件は何の布石だったのか、スピンオフでもいいから、ぜひ回収させて〜。

2022/08/28

谷口稜曄さんの言葉を胸に。『長崎の郵便配達』


 『長崎の郵便配達』。元軍人で作家のイギリス人ピーター・タウンゼントと長崎の被爆者・谷口稜曄さんの交流を軸に、被爆の実相を現代へと伝えつないでいこうとする娘イザベルの姿を追ったドキュメンタリー。谷口さんには、2009年に、2時間以上のインタビューをしたことがある。また、2010年ニューヨークで行なわれたNPT再検討会議時にも少しだけお話をさせていただいた。とても口数は少ないのだが、あの重たき鋭い谷口さんの言葉が思い出される。

 「私はね、プルトニウムの威力を証明するために生まれたモルモットでもなければ、見世物でもないんですよ。でも、皆さんが私の姿を見てしまったからには、私の歴史を知ってしまったからには、どうか私から目をそらさないでください。
 私は、この世から核兵器がなくなるのを見届ける限り、安心して死ぬことはできないのです。長崎の原爆について、人間生きていくために必ず知らなければいけない。避けてはいけないんだということを知ってもらいたい。
 長崎を最後の被爆地とするために、そして、私を最後の被爆者とするために、核兵器廃絶の声を世界の皆に届けてください。」
 ちなみにピーター・タウンゼントの著書は『THE POSTMAN OF NAGASAKI』。一方、映画のタイトルは、『THE POSTMAN FROM NAGASAKI』。見終えてから、この違いに、合点がいった。

2022/08/24

フランシスの言葉がいちいち刺さる、旧統一教会が一番嫌いそう、『セイント・フランシス』


 『セイント・フランシス』。34歳独身女性ブリジットと6歳の少女フランシスとのひと夏の交流が軸。なのだが、妊娠、中絶、生理、産後うつ、同性婚、家父長制、人種、宗教などなど、テーマは多様。笑って泣いて考えて、これは傑作。フランシスの言葉が、いちいち刺さる。旧統一教会が一番嫌いそうな作品。

2022/08/23

「わたしが最悪」な事態を招いてしまうユリヤが主人公の『わたしは最悪。』


 なかなか見られないでいた『わたしは最悪。』。かなりの人気らしくロングラン上映を続けて、ようやく鑑賞。人生で最良の選択が、本当に最良かは分からない。仕事も恋も都合が悪くなると心がうずうずしてくる主人公ユリヤの選択は、『わたしは最悪。』というより「わたしが最悪」な事態を招いていく。小説仕立てになっており、最終章へと向かうあたりから、急激におもしろくなっていった。

2022/08/20

THE LINDA LINDASとFISHBONEを見に、L.A.行きを決意したサマソニ

 7年ぶりのサマソニ。思っていたよりも、人が多いだろうし、電車も混んでいそうなので、新宿から新木場まで行って、そこから京葉線の各駅停車で海浜幕張へ。駅は大混雑。会場までもちょっと遠回りして、密を避けつつ、会場に到着。
 まずは、MOUNTAIN STAGEで、オープニングアクトのCVLTE、そして、THE LINDA LINDAS。CVLTEは前日にサマソニのプレイリストで初めて聴いたんだけど、なかなかダイナミック。ライブも相当に作り込まれた音と映像。
 一方、今回一番のお目当て、THE LINDA LINDASは、その音数の少なさが、何と新鮮なこと。バンドの原点に触れた気がする。ラストの「リンダリンダ」もだが、The Go-Go'sの「TONITE」も良かったな。MCも最高でした。かっこよくて、キュート、満足。
 移動して、リーガルリリー、ちょこっとWENDY。リーガルリリー、単独ライブが見たい。
 若干の休憩を挟んで、MOUNTAIN STAGEに戻って、BLUE ENCOUNT。ALL TIME LAW、FISHBONE、ザ・クロマニヨンズ。
 BLUE ENCOUNT、ALL TIME LAWは、どちらもベクトルは違うんだけど、エモーショナルで、コロナ禍でなければ大合唱だろうね。
 FISHBONEを見るのは、初めて。のっけからアンジェロが「音を大きくしろ」とスタッフを煽る。これが、何度も続いて、徐々に音が大きくなっていく。それにしても、彼らのパフォーマンスはすご過ぎ。前日の単独も見ておけば良かった。観客が少なかったのが、残念だが、今回のベストアクトの一つであることは間違いないと思う。
 続いて、ザ・クロマニヨンズ。もう何も言うことなし。圧巻のロックンロール・ショー。10年ぶりに見たが、勢いが増していた。「みんな、長生きして、来年も来いよ」。ヒロトの言葉が染みる。もう満腹。
 結局、朝から、ほぼ、MOUNTAIN STAGEで過ごしたわけで、まだまだアクトは続く。でも、この余韻を持って、私のサマソニは終了にしたいと、帰路に着いた。
 そして、THE LINDA LINDASとFISHBONEを見に、L.A.に行くことにしようかね。

2022/08/12

『X』の前日譚『Pearl』


  『X』は三部作で、次回作『Pearl』の予告編が、『X』公開から二週間限定で、エンドロール後に劇場公開された。運よく劇場で見られたのだが、英語版がYouTubeでの公開スタート。もう一度見たいと思っていただけに、これは、うれしい。
 『Pearl』は、『X』の前日譚で、『X』に登場する殺人鬼パールの若い頃を描いているとか。70年代ホラー作品風な作りだった『X』に対し、『Paerl』は、予告を見る限りではm何だか『ミッドサマー』をも想像させるポップな作り。
 期待感が高まって仕方がなくて、何度も予告編を見てしまうよ。

2022/08/10

ヒップな風刺とナンセンスな描写、『パトニー・スウォープ』

 『X』のチケットをネットで予約した時に、同じホワイトシネクイントで上映されている『パトニー・スウォープ』が明日で終了と知り、サービスデーだしとチケットを購入。二本続けての鑑賞。ホワイトシネクイントは、座席前のスペースも広く、全席にひじ掛けがあるので、疲れないしね。

 で、『パトニー・スウォープ』は、ロバート・ダウニー監督、1969年の作品。白人中心社会に革命をもたらそうとする黒人スウォープ。そして彼を利用しようとする白人、みたいな作品だが、ヒップな風刺とナンセンスな描写。時代背景をもっと知っていたら、より楽しめたと思う。

これは、ホラー映画か?『X』2回目

 『X』2回目。結局、前半から後半への展開の切り替わりや、映像のざらざら感、70年代さく裂の音楽と陰湿な効果音、この夏のホラー作品では、これが好き。というか、今年見た中でも最上位。主役のマキシーンを演じるミア・ゴスもカッコいいし、三部作の顛末が楽しみ。
 ただし、これがホラー作品なのかは、正直疑問でもある。

2022/08/09

長崎平和祈念像


  長崎平和祈念像を作った北村西望のアトリエが、東京武蔵野の井の頭公園内にある。動物園の方は賑わっているが彼の工房はいつもひっそり。この像については、制作費を被爆者の治療費にあてるべきであるとか、西望が戦前から戦中にかけて国威発揚のための作品を制作していたことなどから、反対運動も起こった。
「原子野に屹立する巨大な平和像 それはいい それはいいけど そのお金で何とかならなかったかしら ”石の像は食えぬし腹の足しにならぬ” さもしいといって下さいますな 被爆後10年をぎりぎりに生きる 被災者の偽らぬ心境です…」。
 被爆詩人・福田須磨子さんの『ひとりごと』を、あらためて心に刻みたい。

2022/08/08

川口浩が出て来るかもな『女神の継承』


 今年ナンバーワン・ホラーとの呼び声高い『女神の継承』。静かな導入から心理サスペンス、終いにはスプラッターなど、結構いろいろな要素が詰まっていて、後半は案外に派手な展開。残虐で不快な描写も多いし、何よりも音が恐怖を増幅させるのだが、ドキュメンタリーという体裁で、途中でインサートされる字幕の唐突さに、川口浩を感じずにはいられないのは、歳のせいだと思う。

2022/08/07

里親制度自体は理解していても、ね。『1640日の家族』


 里親と息子の別れを描いた『1640日の家族』。制度について理解はしていても、いざ別れとなるとね。登場する子供たちがとにかくいい。

2022/08/03

兄弟の頭文字が、『C.R.A.Z.Y.』

 『C.R.A.Z.Y.』。まったく性格の違う五人兄弟と、保守的な父親、過保護な母親の物語。60〜80年代のジェンダー・アイデンティティと宗教観が大きなテーマかな。案外複雑で、デビッド・ボウイやピンク・フロイドの音楽が使われていると話題だが、それは二の次。後半は、能天気さも消え、切なくもある、いい作品だと思う。ちなみに、C.R.A.Z.Y.は、兄弟の頭文字。