2024/06/11

劇場に悪臭漂う『関心領域』


 『関心領域』2回目は、新宿ピカデリーで一番大きなスクリーン1で。
 この作品では、ほぼ全編にわたり、低く不穏な音が鳴り響き、ドイツ軍人家族が暮らす壁の向こうに、大きな炎と立ち込める煙が映し出される。これにより、劇場内に悪臭が漂い始めたような気分に陥り、自問してしまう。
 それは、こちら側の人間は、本当に無感心だったのか。無関心でいなければ正気を保てなかったのではないか。そして後戻り出来なくなってしまったのではないか、ということ。
 戦争とは、おぞましいものであると、あらためて感じる。