カナダのへヴィーメタルバンド、ANVILのドキュメンタリー映画が公開されます。50を過ぎたリップスとロブが食べるための職を他に持ちながらも、ロックスターになることを夢見て、ツアーを続ける。どことなく、『レスラー』を彷彿とさせるストーリーですが、プロレスやロックとは、派手な面と、儚さやせつなさが同居している不思議な世界だと思います。
振り返れば、スーパーロック’84という、今のフェスの走りのような一大イベントが日本を縦断した、あの夏。私は、福岡の、今はなき九電体育館で、このイベントを体感しました。MSG、White Snake、Scorpionsと言った大御所や、日本デビュー前のBon Joviとともに、このツアーに参戦したANVILですが、映画のトレーラーにもあるように、この中で、唯一「売れなかった」バンドとなってしまいました。
ま、売れれば良いというものではないし、人懐っこい顔でヘッドバンギングし続けるリップスを見れば、こういう人生はありだと強く思えてしまうのです(リップスは、スーパーロックの時も、Scorpionsを見ながら、ステージ袖で首を振りまくっていました)。 10月24日~、TOHOシネマズ六本木ヒルズ他で、公開です。